健康診断風景

健康診査の項目

健康診断(健康診査)は、労働安全衛生法などの法律によって実施が義務付けられた「法定健診(定期検診)」と、個人が任意で受ける「任意健診」に分けられます。
法定健診は、乳児・妊婦・市民・従業員などによって内容が定められており、検査項目は問診、身体測定、聴力検査、血圧測定、便及び尿検査、胸部X線検査など10数項目からなります。
任意健診は人間ドックなど、法定健診よりも多い40~100項目程度のより高度な検査を行うことが多く、費用が自己負担となります。
ここでは、健康診査の代表的な検査項目をご紹介いたします。

・身体測定

身体測定では、身長・体重・腹囲・心拍数を主に測定します。身長(m) ×身長(m) × 22で算出した理想体重となる標準体重との比較や、BMI(体格指数)の基準値と比較して、肥満度の判定を行います。
 
 

・眼底検査

眼底カメラで、目の奥の網膜や視神経、血管の診察をします。白内障や緑内障といった目の病気をはじめ、高血圧や動脈硬化、糖尿病性網膜症などの病気も分かります。
 
 

・聴力検査

聴力検査ではヘッドホンを使用し、聴力検査用の機器を用いて検査を行います。低音域と高音域の音を聞き、音が聞こえたタイミングで応答ボタンを押すことで聴取可能な聴力であるかの判定を行います。
 
 

・尿検査

尿検査では主に、尿中のたんぱく質の量を調べる「尿蛋白」、尿中の糖分を調べる「尿糖」、尿を遠心分離器にかけてできた沈殿物を調べる「尿沈渣」、尿に血液が混じっていないかを調べる「尿潜血」、蒸留水に対する尿の比重を調べる「尿比重」についての検査が行われます。
 
 

・血液検査

血液を採取して検査をすることで、主に貧血、肝臓の異常、腎臓の異常、高脂血症、糖尿病などの病気の疑いを判定します。血液検査全般の結果から、生活習慣病が隠れているか分かります。
 
 

・血圧検査

血圧検査では、血液を循環させるポンプ、心臓の収縮と圧縮により血管にかかる圧力を計測します。動脈へ血液を送り出す時の「収縮期血圧」と、静脈から血液が心臓に戻るときの「拡張期血圧」の、それぞれ最高値と最低値を元に、高血圧症や低血圧症について調べます。
 
 

・心電図検査

心臓の筋肉から発生する微弱な電気信号を波形として記録し、心臓の状態を把握する検査です。不整脈や虚血性心疾患、狭心症、心筋梗塞、心肥大、心筋症、心不全、心房細動などの病気が分かります。
 
 

・肺機能検査

肺機能検査は、鼻をクリップでつまみ、マウスピースをくわえながらスパイロメトリーという機械に息を吹き込み、肺の能力を調べる検査です。肺活量と努力性肺活量を計測します。慢性気管支炎・肺気腫といった慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、間質性肺炎、肺線維症などの病気が分かります。
 
 

・胃内視鏡(胃カメラ)

先端にCCDカメラのついた内視鏡を口からあるいは鼻から挿入し、モニターを見ながら食道、胃、十二指腸の病気の有無を確認する検査です。粘膜の色の変化や凹凸など性状を直接観察でき、がんの早期発見に有効です。
 
 

・大腸内視鏡(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入して盲腸まで進めていき、モニターに映し出される画像を見ながら観察します。切除可能なポリープが見つかった場合は、ポリープを切除・回収して病理検査を行います。
 
 

・胸部X線検査

胸部にX線を照射して、肺・心臓・両肺の間にある器官の異常を調べる検査です。肺結核、肺炎・気管支炎などの肺の炎症、肺気腫・気胸・胸膜炎・肺線維症・心臓病・心肥大・胸部大動脈瘤などの病気が分かります。
 
 

・上部消化管X線造影検査(胃バリウム)

食道、胃、十二指腸までの上部消化管のX線撮影を行う検査で、がんやポリープ、かいようなどの病気が分かります。検査前に胃をふくらます薬と造影剤のバリウム液を飲み、胃の粘膜に付着させます。
 
 

・大腸X線造影検査(注腸検査)

大腸(直腸・結腸)の病変を確認するための検査で、肛門からバリウムと空気を入れ大腸粘膜に付いたバリウムの様子をX線撮影します。検査前日から検査食の摂取と下剤を服用し、検査後は、バリウムを早く体外に排泄するために下剤の服用と十分な水分を飲用します。
 
 

・便潜血検査

便潜血検査は、胃や腸など消化管の出血の有無を確認するため、便に混じっている微量の血液成分を検出して、継続的な出血があるかどうかを調べる検査です。異なる日に二回、便を採取する方法が選択されています。便潜血検査で陽性と判定された場合、大腸ポリープや大腸がんが疑われます。
 
 

・心臓超音波検査(心エコー)

心臓超音波検査では、心臓の形態を超音波で観察し、壁の厚さや動きの状態を数字で評価し、各弁の状態や動き、血流を調べます。心不全、不整脈、心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、先天性心疾患などの病気が分かります。
 
 

・腹部超音波検査(腹部エコー)

超音波を用いて、内臓から返ってくる反射波を画像化して診断する検査です。仰向けに寝て、腹部にゼリーを塗って行います。対象となる臓器は、肝臓、胆のう、胆管、膵臓、腎臓、脾臓、腹部大動脈で、腫瘍があるかどうか、胆のうには胆石などがあるかどうかが分かります。
 
 

・子宮頸がん検査

子宮頸がん検査では、問診・視診・内診と、採取した細胞による細胞診が行われます。性交渉未経験者は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染するリスクが低いため、検診を受けるメリットは小さくなります。
 
 

・子宮体がん検査

子宮体がんを調べるにはいくつかの検査方法があります。一般的な検査方法が、子宮の中に直接器具を挿入し、細胞を採取して、がんリスクを調べる子宮内膜細胞診です。他に、子宮内膜細胞診ができないときに用いられる、経膣超音波検査や骨盤腔MRIがあります。
 
 

・乳がん検査(マンモグラフィー)

マンモグラフィーは乳房専用のレントゲン検査です。少ない放射線の量で安全に乳がんの検出ができます。透明の圧迫板で乳房をはさみ、薄く伸ばして撮影します。
 
 

・乳がん検査(超音波検査)

乳腺用の超音波診断装置で超音波を乳腺に当て、はね返ってくる反射波をコンピュータが画像化して検査します。乳腺内の小さな腫瘤や、乳管内の変化が分かります。
 
 

・腫瘍マーカー等の特殊検査

がん発生に伴い血液中に増える特殊な蛋白や酵素のことを腫瘍マーカーと呼びます。画像診断と組み合わせることで、大腸・膵臓・肺・胃・肝臓・前立腺・子宮・卵巣などのがん発見に有用な検査です。
 
 

・脳ドック

脳ドックで実施される検査は、MRI/MRA検査、頸動脈エコー検査、心電図、ABI(血圧脈波)検査と、血液検査などを組み合わせて行うことが一般的です。脳の健康状態を確認しながら、将来的な病気のリスクを診断します。
 
 

・PET

PETとは、ポジトロン・エミッション・トモグラフィーの略で、「ポジトロン断層撮影法」と呼ばれる画像診断です。がん細胞が正常細胞に比べてブドウ糖を多く取り込むという性質を利用し、ブドウ糖に似た物質に目印をつけて体内に注射し、全身をPETで撮影して検査します。
 
 

・肺ドック(ヘリカルCT)

ヘリカルCT検査は、1回の息止め(20秒程度)で胸部をらせん状にX線でスキャンし、肺の隅々まで検査します。腫瘍、炎症などの肺野病変や、縦隔病変の検出に有効です。
 
 

・肺ドック(マルチスライスCT)

マルチスライスCT検査は、肺がんなどの精密検査に用いられます。胸部X線で見つけるのは困難な小さな肺がんなどの早期発見に有用です。肺がん、肺炎、肺結核、大動脈瘤などの病気が分かります。

 

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